朝、早く起きたので庭の手入れをしました。苔むした中から生えてくる小さな雑草を、ピンセットを使うように慎重にむしり取ります。
シーンと背中から感じる朝の爽やかな冷気、コロコロと流れる池の水、地面からわき立つ土のにおい、そして鳥の鳴き声、そのひとときは何もかもが好ましく、ふと小さい頃、田舎のおばあちゃんちに遊びに行った時の夏が思い返されました。
「あたらしや」はそんなナチュラルな宿屋です。
地味でいい、この時私が感じたのと同じ、五感の感覚を味わっていただけたなら・・・。
お客様の大切な一日を私達がいただき、この宿で同じような思いを思い起こしていただければ、とても幸いです。
「古来、日本人は遥かなる峰々を生命の源と考えた山岳を神聖視し崇めてきました。
この自然崇拝と神道や仏教などが融和し、深山幽谷に分け入って修行することによって神秘的な力を得て、自他の救済を目指そうとする信仰が生まれました。
「修行により験力を顕す道」=修験道です。
大峯山は修験道の場として1300年の歴史を刻み、洞川温泉街はその宿場町として、修験道とともに栄えてきました。
その宿場町に立つ『あたらしや旅館』は、レトロな建築が美しい、老舗の宿です。